終末期ケア専門士の加算と手当|告示と求人25件で確認

終末期ケア専門士

終末期ケア専門士は、看取り介護加算やターミナルケア加算の要件には出てきません(厚生労働省の告示を2026年11月7日に確認)。手当は事業所しだいです。資格名が載った求人25件のうち、金額まで読めたのは8件だけでした(うち6件は同じ系列のホーム)。更新は5年ごとに60単位です。

この記事でわかること

  • 看取り介護加算・ターミナルケア加算などの要件に終末期ケア専門士が出てくるか(告示の照合)
  • 公開されている求人25件で、終末期ケア専門士が手当・取得支援・在籍のどれで書かれているかと手当額
  • 求人票と面接で、資格の扱いを確かめる手順
  • 5年ごと・60単位の更新の期限の数え方と、受験資格

出典: 厚生労働省 告示第94号・第95号・第96号/一般社団法人日本終末期ケア協会 公式サイト/求人ボックスの検索結果(いずれも2026年11月7日確認)

この記事の要点

  • 加算の告示に終末期ケア専門士の名前はない。要件は看護体制・指針・同意・職員研修
  • 求人25件のうち、応募の必須条件にした求人は0件
  • 手当の対象としたのは16件。金額が読めたのは8件だけで、うち6件は同じ系列のホーム(手当額の幅は言えない件数)
  • 更新は5年ごと・60単位。60か月で割ると月1単位のペース
  • 受験資格の21資格に、初任者研修と実務者研修は入っていない

手当や看取りの体制で職場を比べたい方へ。介護福祉士・看護師などの資格を持ち、正社員で働きたい方は、介護職の転職支援サービスで求人を相談できます。

終末期ケア専門士を取ったものの、職場で給料が上がらず「意味があったのか」と迷う方は少なくありません。これから受けるか迷っている方も、事業所の加算や手当に結びつくのかは気になるところです。

この記事では、厚生労働省の告示・日本終末期ケア協会の公式ページ・公開されている求人票の3つだけを使って、処遇とのつながりを確かめていきます。

目次

終末期ケア専門士は介護報酬の加算要件に出てこない

介護報酬の看取り・ターミナルケアに関わる加算は、どれも告示の要件に終末期ケア専門士が出てきません。

終末期ケア専門士とは、一般社団法人日本終末期ケア協会が認定する民間資格です。加算は事業所が算定するもので、要件は事業所の体制で決まります。

看取り・ターミナルケア関係の加算と、告示に書かれた主な要件(2026年11月7日確認)

加算対象のサービス告示の主な要件終末期ケア専門士の記載
看取り介護加算(Ⅰ・Ⅱ)介護老人福祉施設・地域密着型常勤の看護師1名以上、24時間の連絡体制、看取りの指針、職員研修、個室などへの配慮なし
看取り介護加算(Ⅰ・Ⅱ)特定施設入居者生活介護看取りの指針と説明・同意、職員研修。(Ⅱ)は夜勤か宿直の看護職員1以上なし
看取り連携体制加算訪問入浴介護医療機関などとの連絡体制、対応方針の説明・同意、職員研修なし
看取り連携体制加算小規模多機能型居宅介護看護師による24時間の連絡体制、対応方針の説明・同意なし
ターミナルケア加算訪問看護・定期巡回・看護小規模多機能24時間の連絡体制、主治医と連携した計画の説明・同意、記録なし
ターミナルケア加算(対象者)介護老人保健施設医師が回復の見込みがないと診断、計画への同意、多職種での説明なし
ターミナルケアマネジメント加算居宅介護支援24時間の連絡体制、必要に応じて支援できる体制なし

出典: 厚生労働省「厚生労働大臣が定める施設基準」(平成27年告示第96号・令和6年告示第86号による改正まで)、「厚生労働大臣が定める基準」(平成27年告示第95号)、「厚生労働大臣が定める基準に適合する利用者等」(平成27年告示第94号)。いずれも厚生労働省 法令等データベースで2026年11月7日に確認。医療保険(診療報酬)の施設基準と留意事項通知は、この表に含めていません。

告示に出てくる資格の名前は、看護師・介護福祉士など法令にもとづく資格だけでした。終末期ケア専門士を持つ職員がいても、それで加算が取れる仕組みにはなっていません。

加算と資格手当は、決まる場所が違う

介護報酬の加算
受け取る
事業所
決まる場所
厚生労働省の告示
主な要件
看護体制・24時間の連絡・指針・同意・職員研修
終末期ケア専門士
告示に記載なし
資格手当
受け取る
職員本人
決まる場所
事業所の給与規程
主な要件
事業所が手当の対象に入れた資格
終末期ケア専門士
求人25件中16件で手当の対象

図:終末期ケア専門士が処遇につながるのは、事業所ごとの資格手当の側

「看取りに関する職員研修」は施設が行う研修のこと

看取り介護加算と看取り連携体制加算には、職員研修の要件があります。告示に書かれているのは、事業所が看取りに関する職員研修を行っていることです。

研修の名前や、外部の資格は指定されていません。職員の誰かが終末期ケア専門士を持っていることは、この要件とは別の話になります。

訪問看護の専門管理加算の「専門の研修」も別もの

訪問看護と看護小規模多機能には、専門管理加算があります。告示第95号の要件は、緩和ケア・褥瘡ケア・人工肛門と人工膀胱ケアの専門の研修を受けた看護師か、特定行為研修を修了した看護師の配置です。

ここにも終末期ケア専門士の名前はありません。対象になる研修は、届出先の地方厚生局や都道府県の案内で確かめてください。

求人25件で見る終末期ケア専門士の手当と書かれ方

公開されている求人25件では、終末期ケア専門士を応募の必須条件にした求人はありませんでした。16件は資格手当の対象として書いていました。金額まで読めたのは8件で、うち6件は同じ系列のホームです。

求人での終末期ケア専門士の書かれ方(2026年11月7日取得・n=25)

書かれ方件数主な職種手当額
資格手当の対象16件介護職・サービス提供責任者読めたのは8件(うち6件は同じ系列)で、いずれも月3,000円。残り8件は表示が途中で切れて読めず
取得を勧める・取得支援5件訪問看護・看護師・作業療法士金額の記載なし
有資格者が在籍4件看護師・准看護師記載なし
応募の必須条件0件――

出所: 求人ボックス「終末期ケア専門士の仕事」の検索結果1〜2ページ(2026年11月7日取得)。表示された51件のうち、抜粋に資格名が出た25件を数えました(重複2件は除外)。雇用形態は正社員24件・パート1件。手当欄は3件の詳細ページで原文を確かめています。

金額が読めた8件のうち6件は同じ系列のホーム

月3,000円が読めた8件のうち6件は、ニチイホームの求人でした。手当欄には「介護予防運動指導員/認知症ケア専門士/終末期ケア専門士手当:各3,000円/月」とあります。

同じ求人では、介護支援専門員手当が月5,000円でした。終末期ケア専門士は、介護支援専門員より低い額に置かれています。

同じページには「プラチナ介護職手当:38,000円/月」もあります。内訳に介護福祉士・認知症ケア専門士・終末期ケア専門士・介護予防運動指導員が並びますが、何をそろえれば出るかは書かれていません。

8件の大半が1社の給与規程なので、月3,000円を業界の相場と読むのは早すぎます。手当を置く事業所の、1つの実例として見てください。

看護職の求人は「在籍」「取得支援」の書き方が多い

訪問看護の求人では、手当より「終末期ケア専門士が在籍」「全職員で取得を目指す」といった書き方が目立ちました。看取りに力を入れている職場だと伝える使い方です。

資格取得祝金の制度に名前を挙げた求人もありましたが、金額は抜粋から読めませんでした。

受験料と登録料は手当の何か月分か

受験料と認定登録料は、どちらも税込12,100円です。合わせて24,200円になります。

仮に月3,000円の手当がつく職場なら、8か月で24,000円、9か月で27,000円です。この場合は9か月目で受験料と登録料を上回る計算になります。手当の額は職場ごとに違うので、自分の職場の給与規程の額で数え直してください。テキスト代や送料は、この計算に入れていません。

資格手当の考え方を、上位資格の例で見たい方は認定介護福祉士の費用対効果と資格手当の仕組みも参考になります。

介護福祉士などの介護の資格や、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の資格をお持ちの方へ。資格手当の有無と金額を担当者に伝えておくと、応募の前に職場を比べやすくなります。

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求人票で終末期ケア専門士の扱いを確かめる手順

終末期ケア専門士の扱いは、求人票の手当欄と面接の質問で確かめられます。書かれ方は事業所ごとにばらばらです。見る順番を先に決めておくと、比べるのが楽です。

  1. 手当欄に「終末期ケア専門士」の名前と月額があるかを見る
  2. 「各3,000円」のように、ほかの資格と同じ額か、併給できるかを見る
  3. 取得支援(受験料の負担・祝金)があれば、勤続年数などの条件を確かめる
  4. 面接で、看取り介護加算やターミナルケア加算を算定しているかを聞く
  5. 職員研修の担当や、看取りの委員会に有資格者が入れるかを聞く

4と5は、手当の額より長く効いてくるところでしょう。加算を算定している事業所には、看取りの指針と職員研修の要件があります。学んだ内容を研修で生かせる場があるかも、その答えで見えてくるはずです。

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終末期ケア専門士の更新は5年ごと・60単位

終末期ケア専門士は5年ごとの更新制で、必要なのは5年間で60単位です。単位は協会の資格更新システム「ココシンク」で取り、60単位がそろえば自動で更新されます。

終末期ケア専門士の認定と更新(日本終末期ケア協会の公式ページより)

項目公式ページの記載
更新の周期5年ごと
必要な単位5年間で60単位
単位の取り方ココシンクの講義動画の視聴、オンライン・実地のセミナーへの参加
更新料不要(60単位の取得で自動更新)
認定登録料11,000円(税込12,100円)
合格後の流れ12月に認定登録、1月に認定証の発送、2月にココシンクの加入受付

出典: 一般社団法人日本終末期ケア協会「終末期ケア専門士 受験資格・概要について」「資格更新システム「ココシンク」について」(2026年11月7日確認)

更新の期限の数え方(計算例)

2027年10月の試験に合格した場合で数えてみましょう。起算日は公式ページに書かれていないため、ここでは認定証が届く月を起点にしています。

2027年10月に合格した場合の更新までの流れ

  • 起算日は公式ページに記載がないため、認定証の月を起点にした目安です。
  • 12027年12月:認定登録認定登録料は税込12,100円
  • 22028年1月:認定証が届くここを起点に5年を数える
  • 32028年2月:ココシンクに加入ここから単位を取り始める
  • 42030年7月ごろ:中間点30単位あれば予定どおり
  • 52033年1月ごろ:5年の区切り60単位で自動更新

図:60単位を60か月で割ると、月1単位・年12単位のペースになる

60単位を5年で割ると、年12単位です。月に直すと1単位なので、毎月1単位を目安に進めれば足ります。

忙しい年に取れなかった分は、ほかの年で取り返すことになります。2年半の時点で30単位あるかを、1度確かめておくと安心です。

公式ページに書かれていないこと

次の3点は、2026年11月7日時点の公式ページに記載がありませんでした。

  • 5年を数える起算日(認定日・認定証の発行日など)
  • ココシンクの利用料金
  • 期限までに60単位に届かなかったときの扱い

期限が近い方は、協会の資格所持者専用ページか、問い合わせ窓口で確かめてください。なお、上級専門士は終末期ケア専門士の取得から1年たつと受験でき、原則としてココシンクの利用が必要とされています。

これから受ける人の受験資格と次の試験日程

受験には、21の国家資格などのどれかと、その免許の登録から2年以上の実務経験が要ります。介護職の場合、受験資格に入るのは介護福祉士と介護支援専門員です。

終末期ケア専門士の受験資格と試験の概要(2026年11月7日確認)

項目内容
対象の資格21資格(医師・看護師・准看護師・介護福祉士・介護支援専門員・社会福祉士・理学療法士・作業療法士など)
実務経験免許の登録から2年以上。常勤・非常勤を問わず、看取りの経験は問われない
申込期間2027年3月26日〜9月20日
審査申告の期限2027年9月30日
試験期間2027年10月8日〜10月31日(テストセンターでのパソコン試験・90問90分)
受験料11,000円(税込12,100円)
直近の結果第6回(2025年)受験者5,284人・合格者3,858人・合格率73.0%

出典: 一般社団法人日本終末期ケア協会「終末期ケア専門士 受験資格・概要について」「よくあるご質問」(2026年11月7日確認)

実務経験は、審査申告の時点で2年に届いている必要があります。見込みでの申告はできず、前の勤務先も含めて最大4か所まで合算できます。

初任者研修と実務者研修は、21資格の一覧に入っていません。介護職でこれから受けたい方は、先に介護福祉士を取る流れです。従事日数の数え方は介護福祉士の受験資格と実務経験証明書の書き方で確かめられます。

試験の前に出題範囲の要点を整理したい方は、一般社団法人日本終末期ケア協会が開催している 終末期ケア専門士 試験対策WEB講習会 の内容と日程を確認できます。

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よくある質問

終末期ケア専門士の加算・手当・更新で、よく調べられている疑問をまとめました。

終末期ケア専門士がいると、看取り介護加算は取れますか?

取れません。看取り介護加算の要件は、常勤看護師の配置・24時間の連絡体制・看取りの指針・職員研修などです。告示に終末期ケア専門士の名前は出てきません(2026年11月7日確認)。

訪問看護のターミナルケア加算に、終末期ケア専門士は関係しますか?

告示の要件には入っていません。訪問看護のターミナルケア加算は、24時間の連絡体制・主治医と連携した計画の説明と同意・記録が要件です。

終末期ケア専門士の資格手当はいくらですか?

事業所の給与規程しだいです。求人25件のうち金額まで読めたのは8件で、そのうち6件は同じ系列のホームの求人でした(いずれも月3,000円)。この件数では手当額の幅は言えません。

終末期ケア専門士の更新には何が必要ですか?

5年間で60単位です。協会の資格更新システム「ココシンク」で講義動画やセミナーから単位を取り、60単位がそろえば自動で更新されます。更新料は不要と公式ページに書かれています。

初任者研修や実務者研修だけで受験できますか?

できません。受験資格の21資格に、初任者研修と実務者研修は入っていません。介護職の場合は、介護福祉士か介護支援専門員の免許の登録から2年以上の実務経験が要ります。

終末期ケア専門士は意味ないと言われるのはなぜですか?

加算の要件に入らず、手当を置かない職場もあるためと考えられます。一方で、求人25件のうち16件は手当の対象としていました。仮に月3,000円の手当なら、受験料と登録料の24,200円は9か月目に上回る計算です。

まとめ|終末期ケア専門士の加算・手当・更新

この記事のまとめ

  • 看取り介護加算・ターミナルケア加算などの告示に、終末期ケア専門士の名前はない
  • 「看取りに関する職員研修」は事業所が行う研修のことで、個人の資格とは別
  • 求人25件で必須条件は0件。手当の対象は16件。金額が読めたのは8件(うち6件は同じ系列)で、手当額の幅はまだ言えない
  • 更新は5年ごと・60単位。月1単位のペースが目安
  • 受験資格の21資格に初任者研修・実務者研修は入っていない

終末期ケア専門士が処遇に結びつくかは、職場の給与規程で決まります。加算の要件には入っていません。手当欄の書き方と、看取りの体制を面接で聞くことの2つで、職場ごとの差を確かめてみてください。

介護福祉士・看護師などの資格を持ち、正社員で働きたい方へ。終末期ケア専門士の手当や取得支援は、求人票だけでは分からないこともあります。介護JJで担当者に相談しながら求人を比べられます(終末期ケア専門士だけでは登録の対象になりません)。

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※本記事は厚生労働省の告示、一般社団法人日本終末期ケア協会の公式ページ、公開されている求人票をもとにした整理で、2026年11月7日時点の内容です。加算の要件・試験日程・更新の条件・求人の手当は変わることがあります。申込や応募の前に、各公式ページと求人元でご確認ください。

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この記事を書いた人

Suzukiです。短大を出てすぐ介護の世界に入り、気がつけば20年以上が経ちました。特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービスと、いろいろな現場で働いてきました。今は現場と並行して、介護スクールの事務も手伝っています。

スクールの窓口には、これから介護を始めたい方が毎日のように相談に来ます。「私みたいに初めてでも大丈夫でしょうか」と不安そうに聞かれるたび、飛び込んだばかりの頃の自分を思い出します。

このサイトでは、初任者研修の選び方やスクールの決め方、修了後の就職まで、現場で働いてきた経験と、受講生の相談にふれてきたことを合わせて、できるだけ正直にお伝えします。

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