介護職の夜勤手当はいくら?施設種別の相場・月何回が現実的か・夜勤専従で収入を増やす方法

この記事でわかること

  • 介護の夜勤手当の相場は1回あたり5,000〜8,000円(介護労働安定センター調査ベース)
  • 施設種別で手当も「夜勤の有無」も違う=老健7,684円・特養6,724円・グループホーム5,550円、デイは夜勤なし
  • 2交代と3交代で拘束時間と手当の出方が変わる(同じ回数でも手取りが違う)
  • 月の夜勤回数は労使協定で上限が決まり、現実的なのは月4〜6回
  • 夜勤専従なら夜勤手当だけで月8〜12万円を上乗せできる働き方もある
  • 夜勤手当・回数・施設選びで年収を底上げする具体的な順番

公的情報源: 介護労働安定センター「介護労働実態調査」/厚生労働省「介護職員処遇改善加算」/労働基準法(深夜割増賃金)

結論を先に書きます

介護職で収入を増やしたいなら、まず効くのが夜勤手当です。相場は1回あたり5,000〜8,000円で、月5回入れば月2.5万〜4万円、年間で30万〜48万円ほど基本給に上乗せされます。

ただし金額は施設種別で大きく変わります。同じ夜勤でも老健は約7,684円、特養は約6,724円、グループホームは約5,550円と差があり、デイサービスのように夜勤そのものが無い職場もあります。

この記事の要点
  • 夜勤手当の全国相場は5,000〜8,000円/回。深夜帯は労基法で25%以上の割増が必須
  • 収入を増やすなら「手当が高い施設」×「現実的な回数」×「夜勤専従の検討」の3点で考える
  • 回数は無制限ではなく労使協定で上限がある。体力と相談しながら月4〜6回が現実的なライン

目次

介護の夜勤手当の相場はいくら?1回5,000〜8,000円が目安

結論から言うと、介護職の夜勤手当は1回あたり5,000〜8,000円が全国の目安です。月5回前後入る人が多く、その場合は月2.5万〜4万円ほどの上乗せになります。

夜勤手当には2つの性質が混ざっています。1つは事業所が独自に決める「夜勤手当(深夜勤務手当)」。もう1つが労働基準法で義務づけられた「深夜割増賃金」です。

深夜割増は労基法で25%以上が必須

労働基準法では、午後10時〜午前5時に働いた時間は通常賃金の25%以上の割増を支払うことが義務づけられています。これは事業所の裁量ではなく法律で決まった最低ラインです。

つまり求人票の「夜勤手当◯◯円」には、この深夜割増を含む場合と、別建ての場合があります。手当額だけでなく「割増込みか別か」を確認するのが、求人を比べるときの最初のコツです。

地域でも4,000〜10,000円超の幅がある

手当は地域差も大きく、都市部では7,000〜10,000円近い求人も珍しくありません。一方、地方では4,000〜6,000円台が中心です。

  • 都市部(東京・大阪・名古屋):7,000〜10,000円の求人が多い
  • 地方都市・郊外:4,000〜6,000円台が中心
  • 同じ施設種別でも法人の規模・方針で差が出る

「相場どおりか」を判断するには、自分の地域・施設種別の数字で見るのが正確です。次の章で施設別に整理します。

施設種別で違う「夜勤の有無」と手当の相場

夜勤手当を語るうえで見落とされがちなのが、施設によってそもそも夜勤があるかどうかが違うという点です。手当の額だけでなく「夜勤で稼げる職場か」を種別で押さえておきましょう。

下の表は介護労働安定センターの調査などをもとにした、施設種別の夜勤手当と夜勤の有無の目安です。

施設種別×夜勤の有無×手当相場(1回あたり)

施設種別夜勤の有無夜勤手当の目安収入インパクト
介護老人保健施設(老健)あり約7,684円医療連携で高め・稼ぎやすい
介護医療院あり約7,350円医療的ケア多め・高水準
特別養護老人ホーム(特養)あり約6,724円入所型で夜勤回数を確保しやすい
単独型ショートステイあり約6,040円入退所多く変動あり
看護小規模多機能あり約5,863円中規模・中水準
グループホームあり約5,550円少人数で落ち着きやすい
小規模多機能型居宅介護あり約5,400円泊まり対応あり・やや低め
デイサービス(通所介護)なし(日勤中心)夜勤手当は基本つかない

老健・介護医療院など医療連携が強い施設ほど手当が高い傾向があります。夜間も容体変化への対応が求められるためです。

夜勤で収入を増やしたいなら入所型が基本

デイサービスは日中の通所が中心で、夜勤そのものがありません。夜勤手当で収入を底上げしたいなら、特養・老健・グループホームなどの入所型を選ぶのが前提になります。

逆に、夜勤を避けて日勤で働きたい人にはデイサービスが向きます。働き方の希望と収入の優先度を整理してから施設種別を選ぶと、ミスマッチが減ります。

介護職の給料そのものの仕組みや平均額は 介護職の給料の実態 でも整理しています。基本給・各種手当・処遇改善加算の全体像をあわせて確認すると、夜勤手当の位置づけが分かりやすくなります。

2交代と3交代の違い|同じ回数でも手取りが変わる

夜勤の「回数」だけで収入を考えると見落とすのが、2交代制か3交代制かという勤務形態の違いです。拘束時間も手当の出方も変わります。

2交代制と3交代制の違い

項目2交代制3交代制
1回の拘束時間約16時間(夕方〜翌朝)約8時間(準夜・深夜に分割)
1勤務の夜勤手当まとめて支給(高め)1回あたりは小さめ
月の夜勤「回数」4〜5回でも長時間回数は多くなりがち
体力負担1回が長く休憩設計が重要1回は短いが生活リズムが乱れやすい
多い施設特養・グループホーム等病院併設・医療院等

2交代は1回が長い分、まとめて手当がつくため「回数は少なくてもしっかり稼ぎたい」人に向きます。3交代は1回が短く、体力的に区切りやすい一方、生活リズムの管理が鍵になります。

求人比較は「手当÷拘束時間」で見る

手当額だけを見て「2交代のほうが高い」と判断すると、拘束16時間ぶんの対価という側面を見落とします。手当を拘束時間で割った時給換算で比べると、職場ごとの実質的な割の良さが見えてきます。

夜勤は月何回まで?回数の上限と現実的なライン

「回数を増やせば青天井で稼げる」と考えがちですが、実際には夜勤回数には上限があるうえ、体力面でも現実的なラインがあります。

労使協定で上限が決まっている

夜勤の回数や時間は、各事業所の労使協定(36協定など)や就業規則で上限が定められているのが一般的です。法律で一律「月◯回まで」と決まっているわけではありませんが、長時間労働を防ぐために事業所ごとにルールが設けられています。

そのため「いくらでも夜勤に入れる」職場は基本的にありません。求人の段階で月の夜勤回数の目安を確認しておきましょう。

平均は月5回前後・現実的なのは4〜6回

介護労働安定センターの調査では、夜勤がある職員の月の平均夜勤回数は約5.3回です。体力・生活リズムを踏まえると、無理なく続けられるのは月4〜6回というのが現実的なラインになります。

  • 月4回:生活リズムを保ちやすい・初めての人向け
  • 月5〜6回:平均的・手当で月3万円前後を確保しやすい
  • 月7回以上:体力負担が大きく、長く続けにくい

回数を増やすほど手当は積み上がりますが、疲労で日勤のパフォーマンスや健康を崩しては本末転倒です。回数は「増やせるだけ」ではなく「続けられる範囲」で設計するのが、結局いちばん収入が安定します。

夜勤専従という選択肢|夜勤手当だけで月8〜12万円も

収入を一気に増やしたい人が検討するのが夜勤専従という働き方です。日勤に入らず夜勤だけを担当する形態で、手当が集中的に積み上がります。

夜勤専従の収入イメージ

夜勤専従は1回の手当が高めに設定されることが多く、月8〜12回の夜勤で、手当だけで月8万〜12万円以上の上乗せになるケースもあります。1回1万円前後の求人なら、月10回で10万円超のプラスです。

ただし生活が夜型に固定されるため、体力・生活リズムの管理が前提です。短期間で集中的に稼ぎたい人、日中に別の予定がある人には合いますが、長期で続けるなら健康管理の設計が欠かせません。

向いている人・向いていない人

夜勤専従が向いている人

  • 短期間で収入を最大化したい人:手当が集中して積み上がる
  • 夜型の生活リズムが苦にならない人:体調を崩しにくい
  • 日中に学習・育児・副業など別の予定がある人:時間を確保しやすい

夜勤専従が向いていない人

  • 生活リズムを崩しやすい人:体調管理の負担が大きい
  • 日勤での経験・スキルを幅広く積みたい人:業務範囲が夜間に偏る
  • 家庭の事情で夜間に家を空けにくい人:継続が難しい

夜勤手当を含めた月収シミュレーション

夜勤手当が実際の月収にどう効くか、施設種別ごとにイメージしてみましょう。基本給はあくまで一例で、地域・経験・資格で変動します。

月収シミュレーション(月5回の夜勤・一例)

働き方基本給の目安夜勤手当(月)月収の目安
特養・常勤(月5回)約22万円約3.4万円約25.4万円
老健・常勤(月5回)約23万円約3.8万円約26.8万円
グループホーム・常勤(月5回)約21万円約2.8万円約23.8万円
夜勤専従(月10回・老健系)約8万〜12万円約12万〜15万円(夜勤のみ)

表のとおり、夜勤手当の差はそのまま月収・年収の差になります。月3,000円の手当差でも、月5回×12か月で年18万円の違いです。

「給料が思ったより上がらない」と感じる場合、夜勤手当の設定が低い・回数が確保できていない・処遇改善加算が手当に反映されていない、といった要因が重なっていることが多いです。

介護職の給料が上がりにくい理由と、その対策は 介護職員初任者研修を取得するメリット もあわせてご覧ください。資格取得が手当・基本給にどう効くかを整理しています。

夜勤で年収を底上げする3ステップ

夜勤手当で収入を増やすには、やみくもに回数を増やすのではなく順番があります。300名規模の進路相談を横で見てきた経験からも、効果が出やすいのは次の3ステップです。

  1. 手当が高い施設種別を選ぶ(老健・介護医療院・特養)
  2. 続けられる回数を見極める(月4〜6回を基準に)
  3. 資格取得で「基本給+手当」を底上げする

ステップ1|手当が高い施設種別を選ぶ

同じ夜勤でも、老健・介護医療院は特養・グループホームより手当が高い傾向です。転職・職場選びの段階で施設種別を意識するだけで、年間数十万円の差が生まれます。求人票では手当額に加え、月の夜勤回数の目安と処遇改善加算の有無を必ず確認しましょう。

ステップ2|続けられる回数を見極める

月の夜勤回数は平均5.3回。無理なく続けられる範囲(多くは月4〜6回)に設定するほうが、長期的には収入が安定します。体調を崩して離職すれば、手当どころか収入がゼロになります。回数は「上限まで」ではなく「持続可能な範囲」で組むのが鉄則です。

ステップ3|資格取得で土台を底上げする

夜勤手当は基本給に上乗せされるため、基本給そのものが上がれば総支給は二重に増えます。介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士と段階的に取得すると、資格手当や処遇改善加算の対象が広がり、夜勤手当と合わせて収入の土台が底上げされます。

よくある質問

Q1:介護の夜勤手当はいくらが相場ですか?

全国の目安は1回あたり5,000〜8,000円です。施設種別では老健が約7,684円、特養が約6,724円、グループホームが約5,550円と差があります。地域差も大きく、都市部では1万円近い求人もあります。求人票では「深夜割増込みか別か」を必ず確認しましょう。

Q2:夜勤は月に何回まで入れますか?

法律で一律の上限が決まっているわけではありませんが、各事業所の労使協定・就業規則で上限が定められているのが一般的です。平均は月5.3回ほどで、体力面から無理なく続けられるのは月4〜6回が現実的なラインです。

Q3:夜勤手当が高い施設はどこですか?

医療連携が強い老健・介護医療院が高めの傾向です。夜間も容体変化への対応が求められるためです。一方、グループホームや小規模多機能はやや低めですが、少人数で落ち着いて働きやすい面があります。手当額だけでなく、夜勤回数の目安と業務負担をあわせて比べるのがおすすめです。

Q4:夜勤専従だけで生活できますか?

夜勤専従は月8〜12回で手当だけで月8万〜12万円以上になるケースもあり、収入面では十分に成立します。ただし生活が夜型に固定されるため、体力・生活リズムの管理が前提です。短期集中で稼ぎたい人や、日中に別の予定がある人に向いています。

Q5:デイサービスには夜勤手当がないのですか?

デイサービス(通所介護)は日中の通所が中心で、原則として夜勤がありません。そのため夜勤手当も基本的につきません。夜勤で収入を増やしたい場合は、特養・老健・グループホームなどの入所型を選ぶ必要があります。

Q6:夜勤手当だけで年収はどのくらい変わりますか?

月5回の夜勤を1年続けると、手当だけで年30万〜48万円ほどの上乗せになります。手当が月3,000円違うだけでも、年間で約18万円の差です。施設種別と回数の選び方で、年収は数十万円単位で変わります

まとめ|夜勤手当は「施設×回数×資格」で最大化する

介護職の夜勤手当は1回5,000〜8,000円が相場で、月5回入れば年30万〜48万円ほど基本給に上乗せされます。ただし金額は施設種別で大きく異なり、老健・介護医療院は高め、グループホームはやや低め、デイサービスは夜勤そのものがありません。

収入を増やすなら、手当が高い施設を選び、続けられる回数(月4〜6回)に設定し、資格取得で基本給ごと底上げする——この順番が結局いちばん効きます。夜勤専従は短期集中で稼ぎたい人の有力な選択肢です。

夜勤は体力勝負の面もあるため、「増やせるだけ」ではなく「長く続けられる範囲」で設計することが、収入を安定させる最大のポイントです。

免責事項

※本記事の手当額・相場は2026年時点の一般的な目安です。実際の金額・夜勤回数・労働条件は事業所ごとの規定で異なります。最新の条件は各事業所の求人票・就業規則でご確認ください。

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この記事を書いた人

Suzuki です。短大卒業後すぐに介護の世界に入り、気がつけば20年以上が経ちました。ヘルパー、介護福祉士、ケアマネジャーと資格を積み重ねながら、特別養護老人ホームやグループホームなど様々な現場を経験してきました。資格の選び方、スクールの選び方、修了後の就職まで、現場の声を交えてわかりやすく解説します。

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